急進明け渡しの訴訟や仮処分の申立を起こす寸前までいった。工事が始まってからも、頭を抱える不測の事態が起きた。その土地がたまたま由緒ある旧大名の屋敷跡だったために、地面を掘り返したら、文化財がサクサク出てきたのだ。こうなると、発掘調査のため、工事はストップしてしまう。建物はすでに解体してしまい、住人は家賃を払って仮住まいに住んでいるというのに、である。それどころか、そういう調査や報告のためにかかるコストもすべてこっち持ちで、建て替え費用のなかから捻出しなければならないのだ。
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まだ半年かそこら中断しただけですんだからいいようなものの、旧石器時代の遺跡でも出た日には工事禁止で、帰る家がなくなってしまったかもしれないのだから、恐ろしい。余分につくった住戸を分譲して、それを売ったお金で建築コストをはじき出すというのも、われわれとしては販売価格の予想が非常にむずかしく、固唾を飲む思いだった。