価格競争によらない選定方法への移行を探る

2011.11.11

建築設計のダンピング(過度な安値受注)は、数年前に比べると減っていると見られる。その背景の1つに、関東を中心とする旺盛な建築需要がある。しかし、設計者を価格競争で決める仕組みは、地方自治体を中心に官公庁施設の8割から9割で使われているといわれ、このシステムが変わらない限りはダンピングもなくならない。日本建築家協会(JIA)など建築設計各団体は、価格競争によらない設計者の選定方法を主張し続けているが、理想と現実のギャップはなかなか埋まらない。

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価格競争によらない設計者の選定は、(1)コンペ(2)プロポーザル(3)特命(4)QBS(資質評価)の4つがある。この中から、案件ごとに最もふさわしいものを選択して、選定方法にしようというのが主張の趣旨だ。なぜ価格競争がふさわしくないのかは、JIAをはじめ設計団体などがあらゆる場面で明らかにしている。それは、設計業務が知的創造行為だからだ。一時期、集合住宅で標準設計のような方法も見られたが、基本的に建築設計はすべて創造行為であり、設計者によって設計内容はすべて異なる。このため、設計内容で競争をして決める4つの方式が本来の姿だというものだ。先進国の中で価格競争によって設計者を決めているのはわが国だけだ。設計内容で設計者が特定された後に、適正な業務報酬を支払うというのが本来の流れである。この適正な業務報酬は、旧建設省告示1206号に示されている。告示は、時代にそぐわなくなっているとの理由により、社会資本整備審議会の小委員会で見直しが進められている。地方自治体によっては、プロポーザルで設計者を特定する形をとっていても、その後、業務報酬を決める段階で告示の基準に準拠していなかったり、プロポーザルで数社に絞り込んだ後に入札を行うという、ちぐはぐな仕組みを導人するケースも見られる。