「吹き抜け」と「床欠損」

2011.09.30

考えなければいけないことは、「本当に吹き抜けか必要か?」ということです。吹き抜けは、構造上の要である床が欠ける「床欠損」となるわけですから、他の方法で開放感のある空間が実現できるなら、最初に検討しておく価値は十分あると思います。たとえば、高い天井は、開放感という点でかなり効果的です。天井を高くするとは、構造的には「水平構面」の位置を高くすることです。箱の上蓋の位置を高くして、吹き抜けまでつくらないということです。一般的な居室の天井高は二・三メートルですから、それより二尺(約九〇センチ)程度天井が高い三・二メートルとすれば、かなりの開放感が得られるでしょう。また、キッチンや浴室といった水回りにはそんな高い天井は必要ないわけですから、デッドスペースを図のように収納に活用することもできるようになります。ただし、「箱の上蓋」の位置が高くなり、その分だけ高い壁を用いると壁は変形しやすくなるので壁の強度には注意が必要です。また「勾配天井」を生かす方法もあります。都市部では、よく採光を確保するため二階にリビングを設けることがありますが、屋根の勾配に沿って天井を高くすれば、四メートル程度の高さは簡単に確保できます。この場合、「箱の上蓋」に当たるのは屋根なので、屋根を強くしておく必要があります。床と同じ原理で、構造材の梁に屋根材の下地に使う合板を直接貼れば強くなります。

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