現代にいたるまで、権力者や国家が土地を支配することを、己の力の象徴としてきました。それは、金やダイヤモンドのような財宝とは異なり、動かすことのできない権力の証でもあったのです。財宝は動かせるので、持ち逃げができます。相手から奪い取って持ち帰ることができます。しかし土地は動かせないので、実に厄介な存在です。土地を保有することの基本として、他人に奪われないようにするには、ずっとその場に居座って占拠しつづけて、領有権を主張しなければならないのです。その代わりに、土地がなくなることも絶対にありません。まさに、土地は絶対的な権力なのです。動かすことができないという事実は、人間自らが土地に出向き、崇め、その土地の持つ価値を引き出すべく、何らかの行動を取らなければ、土地の生み出す価値を享受できないということです。土地の持つ価値につけられた地価は、土地の持つ特性からいって、本来は一物一価であるはずで、それぞれが独立して、動かすことのできない特別な存在である一つ一つの土地は、別個の価値を提供するという意味で、金やダイヤモンドのような財宝の価格のように一律では決められないものです。
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